初サンマ
りつ
ちょっと前にテレビで
「今年の今のサンマは脂が乗っててとても良い」
と聞いたので、
なんとなくその情報を頭に入れていた
1時過ぎに買い物に行き
いつものように何となく買い物しながら
魚売り場で出物はないかな、と物色する
お!
サンマだ!
つやつやぴかぴかで、太い。
確かにボテっと太い
1尾 298円と高かったが
迷わず買った
うきうきする
夕食が待ち遠しい
ぴーぴー
ご飯が炊き上がった
いよいよサンマだ
触った感じもずしりと重く
ぬるっと脂をゆびで感じる
丁寧に塩をふり
魚焼きグリルへ
(七輪で焼きたいな)
ほどなく
美味しそうな匂いが溢れる
どんどん期待が膨らみ
ごくりと唾をのむ
ぴぴぴ
良い感じにこんがり焼けたサンマに
大根おろしを添えて
いただきますももどかしく
ぱくり
ああ!
その陶然といったら!
こっくりとコクのある上品な旨みが
口に広がる
ゆっくり食べた
何年ぶりかの極上サンマを
余すことなく味わいたかった
ごちそうさまをしたくなかった
かなしかった
庶民のごちそう
極上サンマは年々遠くなる
豊かな海は
どこに行ってしまったのだろう
サンマの骨は
何も言わない