空想と夢想
杉原詠二(黒髪)
誰かが離れ業をやった
ロープを投げろ
同じ空の下で
猫が狂ったように踊り回る
キッキング・ザ・ファッキン・アス
光を帯びた歌舞伎役者が
大見えを切っている
観客みんな息をのみ
拍車喝采
トレーラーは角を曲がる
愛の光に照らされて
地球上はダンスホール
悲しみがミラーボールに照らされて
最後のダンスを踊り終えるまで
夢がかなったりかなわなかったり
色んなことはあるだろう
だから生きるんじゃねえのかい
小指に結んだ赤い糸
地球の命運を占う糸を
ちょいっとこちらに引っ張って
頭がフラフラになったあなたは
愛のオーラを放射しながら
苦も無くわたしの所へやってくる
善く念ずることで蹴られた尻も報われる
夕陽の中で猫とタップダンスを踊れ
地球が喜びの余り
度を振り切ってまわり切るまで
生きて踊り続けろ
生きている限り付いたり離れたりする
その中で洗練されていくものこそが
後に残る
地球というダンスホールに
イメージが軌跡を描き
愛を夢見る人たちの眼の中で
幸せが膨らんでいくよ
ひとつの花火が打ちあがった