富士山が誘拐された
多賀良ヒカル


ある朝、人々はビックリした

あるべき富士山がなく、

地平線から太陽が出てきた

お触書きがカカシのように立ってる

富士山を誘拐した

返して欲しいなら

政治改革をすること

関係者が告白、懺悔することに

1合が解放されるだろうと

料亭の女将が

確かに毎晩、どんちゃん騒ぎをしてました

すると、一合が返ってきた

お抱え運転手が

あちこちにカステラを届けました。

2合目が返ってきた

第一秘書が

紫色の風呂敷が頻繁に届きました

3合目が戻りました

新人議員が

勉強会と称して、分厚い封筒を頂いてました

4合目が戻りました

会計担当が

数字のすげ替えをするように指示を受けたと

すると5合目が戻りました

新聞記者が

スクープをもらい、世間を誘導したことをいい

6合目が戻りました

税務担当が

ネガティブな発言には

厳しい税務調査をしたことを

7合目まで戻りました

天下り先の人事担当は

断ると大変なので受け入れます

8合目戻りました

文章作成者は

マジックを片手に墨塗りをしたことを

9合目まで戻りました

最後の最後でも

官僚は罪のなすり合いをし、

あと1合まできたのに、

富士山は怒りで

大爆発をしてしまい、

日本が消滅してしまいました。

最後の最後まで

無責任な官僚とその政治家たち


自由詩 富士山が誘拐された Copyright 多賀良ヒカル 2025-08-11 12:56:24
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