メモ
はるな

それでもまだ罰が必要だと思っている。動けない、歩けない過去の手足のために、どれだけ細い鞭を振えばいいだろう。開いた目に映らない現実・事実の流れていく速度に。
意味・明日や、ままならない思考の取り出し口、【アームを固定してください】、気狂い運転、カビた矜持、海をこえる痙攣。わたしの腕に罰を与えてください。しかしそれは、誰にも言うことができません。
なので、あの雲のうすべったく空と混じるあたりに夢をぶら下げて、仕事へ出かけます。散文詩は禁止、と書かれています。これが詩でなければいいのだけど…、でも、詩でありますように。と祈ってもいる、その通りです。その通りです。何時間もかけて夢を思い出します。文章に関節をつけ、走りださせます。最初は転ぶけれど、それもまた良い。転んで、立ち上がることができれば、思うより遠くへ行けます。
生き延びるために、書棚に並ぶ物語を、全部読む必要があると思ってた。物語は様々なやり方でわたし(たち)を救ってくれるので。
えーと、それは本当にそれでしたか?というのも…それがそれであることが現実でないならば、それたちがそれをそれであると言うことができないかもしれない…できるかもしれないし、できないかもしれない…

花束をつくるとき、いちばん大切なのは…なんの花を使うのかということです。状況を整えること。花たちが、束ねられるのを待って、この指のなかに収まる時、思惑を超えて花束は出来上がっていきます。それは、作られるのではなく、できあがっていく。わたしの手のひらはそれを支えるだけです。

だから、焼かれたパンの幸福、それでも足りない罰、ふかふかの耳を明るいお皿に並べます、待っていてください。かならず正解します。少なくとも、わたしは設問に答えます。
(越えて行ってください)。

手を水にずっと浸しています。海の水をお土産にもらったことがあります。歯や骨をねだられたことも、凡庸さを詰られたこともあります。醜いと言われたことがあるし、きれいだと言われたことがあるし、手のひらに乗れと言われるがままに乗ったらば、そのまま強く叩きつけられたこともある。そのあいだじゅう、わたしの頭の中で、手を、きれいな水に浸していました。
その手で花を束ねてください。願いより祈りより、強く届きます。あなたの花を選んでください。戸惑わず、あなたのやりかたで、時間を前に進めてください。


散文(批評随筆小説等) メモ Copyright はるな 2025-08-05 10:12:03
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