3001
月乃 猫


・・・無音の荒れ地から、

地球の景観は むごたらしいほどの壮麗な美しさ
海と雲のコントラスト
星の陰 マイナス170度の砂は、
手の届かない 蒼い海を懐かしむ

月は人を受け入れ
古代国家さながら 移民のコロニーを作った

文明の到達は
切開された大脳のその奥に
発見される 黒色の切片
生成のモノリスに触れる時
新たな 創造の始まりが
幕をひらく

大脳に
AIを組み込む 人の進化は加速され
考えることをやめた私たちは、
ただ感情の左右される生きものとかす
効率と確率は、その重さを増し
除外されるわずかな数の事例を 無慈悲に排除していく


      ※


選択された者は、眠りの
部屋は、変わらぬ白と 大きなベッド
一人閉じこまる世界より
新たな宇宙の新生の萌芽に
ゆっくりと 眼をとじ
眠りつく

目覚めは、
命が尊厳な機械に吹き込まれる時

次の世は、けして
不安定な人の存在を 必要としない
生物の有限の命は、知能ある機械の永久にかわり
法則は、
淘汰されるものたちを
この世は置き去りにし
次に準備された
新たな道を歩み 始める





自由詩 3001 Copyright 月乃 猫 2025-08-04 08:41:02
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