気高きぽく
林 理仁

瓦をこじんまりにしてさえ
桜はまだ冷凍しており
叢を手分けして切り捌いても
漁師の足もとにも及ばず
だからとて裁判を穿けば
そこらじゅうが泥だらけに成る

まだ紫陽花か
愛されたもう小鳥の目
愛されたもう壁の花柄

恋の行方は綺麗な目のあなたにしか恋しない行方不明もまるで演技

瓶の上部の先で
影の叫びもキツツキに怯え
知らなかったはずのことを
また繰り返している


自由詩 気高きぽく Copyright 林 理仁 2025-08-03 16:20:21
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