心のまなざし
乾 加津也
目を伏せて話しても
心のまなざしを感じる
そんな関係でいたいね
見るものすべてに傷つくから
いつしか伏目がちになって
あなたの視線は地を這って
たくさんの蓑をまとっているよう
あなたの顔を
上げてくれる人はいるかしら
あなたがどれほど涙を湛えていたとしても
あなたの 深く淀んだまなざしを
心の両手で 柔らかく包んであげる人は
信じるとか 裏切るとか
愛するとか 憎むとか
そんな 人臭くないところで
いつもあなたのそばにいる人を
あなたの心のまなざしで そっと感じていて
夜空がきれいよ
感じることは
美しいと 思えることよ