バージンロード
杉原詠二(黒髪)
さぼてん村に日は落ちかかって
暮れかけの太陽と
穏やかな雲と空
私はドストエフスキーのように
この世の永生を信じるようになった
三つ目に光る黒いワゴン車のテールランプ
今夜ダンスホールで
あるいは場末の飲み屋で
盛り場には乱暴者がつきものだから
気をつけてやっておいで
落ち合ったら私がすべて守ってあげるから
悲しみを忘れて
トゥナイト
信じられないほどエメラルド
時は長く引きのばされる
だがどれだけ引きのばされても終わらない
良い夢を見ている時は
それがいつまででも続けばいいと思うもの
しかし夢には終わりがある
永遠に眠っていることと
永遠に目覚めていること
その両者ともが正しくならない
したがって
眠っていたり
目覚めていたり
それが中道
永遠の中で中道を歩む
ふたりで歩む
バージンロード
along the way