骨魚
リリー

 透けていくからだの
 根っこのどこかで
 何かが心を穿つ
 目の前はかすむのです

 小さな水槽の水草をちぎって
 置き石の陰で横たわり
 フロートガラスの壁に立ち上る
 気泡をゆっくり眺める

 床下で二度鳴った
 下に住まう家の時計
 もういちどだけ、
 朝が来たら
 純粋な青になれるかしら

 格好だけが残っている
 一ぴきのわたし
 あなたの顔を見て
 さよならしたくて足踏みしている
 
 


自由詩 骨魚 Copyright リリー 2025-07-16 15:00:46
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