あいラブユー通信
森田拓也

 花は見たい人のために
   いつでも存在する。

      ──アンリ・マティス








屋上に猫駆けあがり夏の空

撃ち合ひに父も子もなし水鉄砲

水鉄砲叱る声消す笑ひ声

雷に仔犬の悲鳴風呂場より

沈黙に冷汗ながれ夏の嘘

夏きざし野良猫あるく塀の上

羽蟻や買ひ物メモにキンチョール

マシュマロマン現れさうな夏の雲

夏料理薄粥に差す薄みどり

いたづらに子が雷を落とされて

けのぬけたラムネと僕はどこか似て

夏雲よぼくを何処かに連れてゆけ



俳句 あいラブユー通信 Copyright 森田拓也 2025-06-22 08:29:07
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