夜の海岸通り
秋葉竹


 
言葉に意味はないのだと
思い知った雨の夜の海岸通り
ホワイトなカッターシャツを濡らし
泣いてもわからないくらいに
雨をかぶった

言葉に意味はないのだと
それを本当かと問うためには
失いたくないものが多過ぎたのかもしれない
今は
ほとんど裸状態だから大丈夫だ
ってホントは
なにが大丈夫なんだか知らないけどね

綺麗な言葉は
ちょっとダメだな
やっぱ言葉には
悲しみや暗さが根を張ってないと
ちょっと黄色さを感じないんだ

言葉に意味はないのだと
思い知った雨の夜の海岸通り
でも夜だから大丈夫だと想ったのも本当で
言葉に意味はないのと同様に
夜には
全てを覆い隠せるやさしさがあるからね

なんて強弁云いつのるとき
黄色いときが
過ぎゆく定めと
云った心の闇で泣く









自由詩 夜の海岸通り Copyright 秋葉竹 2025-06-21 21:20:57
notebook Home