メトロノームの夏
望月 ゆき

 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロディ



 引き潮のすきまに足をすべらせて水平線に一歩近づく



 スプリンクラーをまたいではしゃぐ朝五感温度はマイナス8度



 永遠を感じた夏がすぎてゆくクリィムソォダのにごる速さで



 スカートの砂はらい落とす手のひらでさよならだけを落とさないきみ



 いたずらに風鈴ゆらし笑うきみふたりの夏がこぼれだす午後



 ふりそそぐ蝉時雨だけ抱きしめて静寂の足音をかきけす



 遠雷にかくれんぼの入道雲ときみを探せず終わりゆく夏




短歌 メトロノームの夏 Copyright 望月 ゆき 2005-05-30 07:58:33縦
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