だらしないかも知れない。
かのこ

「苦しい」の言葉一つで
泣きそうになるよ。
この手は
いっつも伸びきって
ながれる水もすくえないから

連れていって。
「なんでもないんだから」と言いながら
むずかしい話は、今日はよそう。

ずっと戻りたかった
きづかないうちに走り出す、身体
どこにいってしまったのかと
もうあきらめるしかないのかと
ただ立ちすくんでた。

連れていって。
すずしい風が肌を再構築していく
最期を待つ夕方のカタバミを
ファインダーにおさめよう。

「えらいね」そう言葉一つで
泣きそうになるよ。
この手は
いっつも泳ぎ疲れて
つなぐ先をさがしているから

連れていって。
この手を、是非とって。


自由詩 だらしないかも知れない。 Copyright かのこ 2005-05-30 00:46:08
notebook Home 戻る