誰かが去って
tonpekep

どこかの方から誰かが去って
白い砂漠がぽつんとあって
顔のない人が歴史の本なんか読んでいるのでした
私は私を側に置いて
私を見つめ続けなきゃならないのでした
ひとつ思うことがふたつに別れ
ふたつ思うことがよっつに別れ
そうして数えきれなくなり
笑う仮面が水のない河原で笑うのでした
私の心を大砲につめました
発射された朝
落ちたところは水びたしで
そこだけきらきら呆れるくらい光っておりました
ちっちゃなアメンボウが四匹浮いておりました


自由詩 誰かが去って Copyright tonpekep 2005-05-29 20:06:17
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