信州へ
花野誉


車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心がまっさらになったかのよう

初めて

心が晴れたような心地

勇気と気力と体力

それだけ持って着いた土地

ほぼ行方不明になった私






自由詩 信州へ Copyright 花野誉 2025-05-11 14:16:03
notebook Home 戻る