月曜の夜
ピッピ

月曜は、月がよろこぶの、
自分の日だ、って、
新月でもないのに、
月が飛んでいく。

二時ごろ、
線路に立っていると、
へんなかたちの電車が止まる。
車内は奇妙にあかるくて、
気がつくと、空を飛んでいる。
月だ。
月に乗って、空をとぶ。
へんな感じ。
だんだん空気が薄くなって、
長い長いキスをされたみたいに、
呼吸が乱れていく、
呼吸なんて、
どうでもよくなっていく。

学校が、あるのよ、
と大空の上で叫んだ、
なんでそんなことを思い出してしまったのだろう、
月は、いいんだ、と言った、
よくないよ、よくないよ、
いいんだ、いいんだ、
街灯がぼやけるほど街の上にいて、
月はぱちん、と弾けた。

落下している。
濃度の高くなっていく空気に、
どうしてよいかわからなくて、
涙が出てくる。
泣いてはだめだよ、
泣いてはだめだよ、
泣かしたのはあなたのくせに。
まっくろがもうそこまできている、
もうだめだ。

月曜は、月がよくなくなって、
かわりに新しい月がおっこちる。


即興ゴルコンダ


自由詩 月曜の夜 Copyright ピッピ 2005-05-28 23:46:04
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