霊を迎ふる汀の響
ひだかたけし

ひとね ひとね 
鳴り響く
この世界に
耳澄まし
じっと佇ずみ居れば

引き裂かれ引き裂いた
あなた方の
あの肉身の輪郭すら

胸の奥の
うちそこから
りんと 
ひとなり ひとなり
浮き上がり
吾(あ)の意識宿る
この肉身と繋がりて

包む温もり貫く熱
内鳴る宇宙のそよぎ立ち

消えたあなた方の 
残した想い
過去へとほく去りつ
未来未知から到来する

その木霊ノ響 、

迎ふるこのわたしといふ汀


自由詩 霊を迎ふる汀の響 Copyright ひだかたけし 2025-05-03 18:50:48
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