十代のタカシ君
花野誉
無口で 少し悪い風で
カスミ草と赤い花の花束をくれた
黙って逆方向の家まで送ってくれた
最初から最後まで
ずっとそう
見た目と心はちがう
この上なく純粋で
ひたむきでひたすらで
夏祭りの帰り道
瞼に触れる長い睫毛
私たちは
どんな縁だったのかな
自由詩
十代のタカシ君
Copyright
花野誉
2025-05-01 21:41:46
縦