哀しみの詩(うた)
栗栖真理亜

悦びは理屈に埋もれ目に見えぬ幻となる

哀しみは深く深く沈み
やがて緊張の波に浚われるだろう
夢なき跡に続く亡者の列は憂いの陰に隠れて
秘かな忍び笑いを漏らす
狂いの呪文を唱えながら泣き喚く偶者達の足音を
一匹の赤茶けた野良犬が嗅ぎ回る滑稽さは誰も知るよしはない

さぁ、窮屈なこの牢屋から俺を連れだしてくれ
赤く錆び付いた魔法の合鍵を使って

どんなヤツにも気付かれないよう俺の頭をぶち抜いておくれ


自由詩 哀しみの詩(うた) Copyright 栗栖真理亜 2025-05-01 08:12:08
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