刃と掌

握手をしたら
相手は刃物だった
血が流れても
誰も咎めやしない

悔しさだけが
胸に錆びつき
刃が冷んやりと
血の温度を下げていく

それでも信じたい
人のあたたかな掌
滲む血と涙を
道標にして


自由詩 刃と掌 Copyright  2025-04-30 19:14:23
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