水たまり──第四の次元であることを超えて
大町綾音
!ビートルズを聴きながら!
お久しぶりです。今日は本当に暖かで、気もちの良い天気で、こんな日にはいつか友だちの引っ越し祝いに、彼の家を訪れたことなんか思い出すのです。
みんなで彼の家のまわりを歩いて、わたしだけはどこか別の場所を見ているみたいでしたけれど、水たまりには空が映っていて──当り前ですね。その日の前日は雨でした。
そして今──昨夜も雨でした。
それらが嘘のように、気もちの良い晴れで、鳥肌が立ちそうに風がわたしを誘ってきます。思わずくしゃみなんかしたら、どうなんだろう? (あちら側)に行けるかな?
どうだか分かりません。それに、これ以上言うこともありません。ただ、手紙を書くんだったらこんな日がいいなと、ずっと思っていたことはたしかです。それは、死んだあなたにそうするのだからそれがいい、っていうことなんです。
昼顔の花が咲いている、あの空地のむこう側って、行ってみたことあります? 京都の「戻り橋」のようですね……あの世って、きっとあるんだろうな。きっとですよ?
とにかく、何もかもが懐かしいみたいです! あの水たまりが、きっと答えですね。わたしたちは、あの空のむこう側に出るんです……。