愛するということ
リつ
32歳になるまで、
ひとを愛するということが
どういうことなのか、解らなかった。
32歳のとき、
運命の出会いがあった。
出会ったひとは、とても哀しくとても孤独なひとだった。
当時、私は大阪に住んでいて、彼は福島に住んでいた。
私たちは、束の間、両想いだった。
私は彼の側に住み、彼に体温を伝え、彼を支えたいと思った。
だけど、彼はこころ変わりし、
自分の住居のすぐそばに住む彼女を作った。
そのことを彼に告げられたとき、
私はしんそこ安心した。
何故って?
だって、ずっと祈ってたから。
「どうか、彼のすぐそばに居て、彼の孤独を癒せるひとを彼に与えてください。
彼が幸せになるなら、それは私じゃなくても構いません」
って。
私は、彼が2度と孤独に泣くことがないことを、
しんそこ喜んだ。
師匠が言った。
「それが、愛というものだよ」