木香茨
青の群れ

あの子が「たまごそぼろだ」と言ったから
あの角の家にはおいしそうなたまごそぼろが咲く

神様に祈ってみたり、嘘をついてみたり
大して変化のない生活を強い風が撫でていく

更地になった場所に看板が立った
完成はまだずいぶん先のようだ

薄曇りの淡く柔らかな光
目も鼻も重くて、でも目の前は明るくて

最高気温が25℃を超えても
少し甘めのたまごそぼろが咲いている


自由詩 木香茨 Copyright 青の群れ 2025-04-23 03:08:34
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