出勤
◇レキ

あの人がまだ何か言ってるのに
灰青の夢が覚めてしまった
また置いてけぼりだ

溶けたまま起き上がる
準備しなくちゃ

背中にあるはずの羽を隠す
曇りガラスの眼鏡をかける

おっとっと
腹からこぼれた内臓をしまう

鏡に映る
普通になりたい僕の
最近覚えた作り笑いは歪んでいる

結局自作のちゃっちなお面を被る

いってきます


自由詩 出勤 Copyright ◇レキ 2025-04-20 16:51:04
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