美神
栗栖真理亜
私たちは美神の裾を掴む事が出来ただろうか?
個人の利益追求
腐敗した論理
私たちはすぐに手短なモノで何でも済まそうとするけれど
本質を見極める事が出来ただろうか?
近くて遠い
遠くて近い
美神の存在に
その微笑(ほほえみ)に
指の先でさえ触れる事が出来たなら
開かずの扉をこじ開け光の向こう側へと歩んで行ける
人間は進化を遂げ
今まで以上か今までとは違った生き方を選択するだろう
美しいモノに憧れ追求するあまり誤って見失うばかりの私たちだけれど
きっとそんな救いがたい私たちでも一本の白い道に辿り着く事が出来る
目には見えぬ糸に導かれ続ける限り
これからも私たちは美しさ神の姿を追い求めるだろう
先人が死の直前までそうして来たように
ココロのなかにある抽象的で曖昧な
それでいて懐かしくも美しい
神が微笑み続ける限り
私たちは短くも長い一生をかけて
先人達の残したヒントを手掛りに厳粛な扉を叩き続けよう