前夜

裸の王様の一言で
誇りは燃やされ
世界中の空は灰に塗れ
不安や憤りで揺れる
街角から消える笑い声
子どもの手が風船を離し
雲の向こうでシュレッダー
さらに奪い尽くそうと
鉄の臭いが降ってくる
秒針が刻む音は重く
闇がずんずんと広がり
世界が固唾を飲んだ


自由詩 前夜 Copyright  2025-03-10 19:28:39
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