どこへ
紅茶猫

「夏」
北向きの窓に小さい絵の具をかき集めて
一番輝いていた頃の僕は
静止画のように夏を洗う

よそおう纏う切れ端は
僕のような顔をして
どこへ行くのか答えない


「言葉猛獣使い」
意味のない言葉をつらつらと並べて
言葉の供養をしています


「波」
黒電話はだるまのようだ
風の合図に目をつむる
切れた配線
どこへつなごう
波と波が弾けるところ
詩人が忘れ物をしてきたと
言ったところへ


自由詩 どこへ Copyright 紅茶猫 2025-03-09 14:46:37
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