ともだちは春のにおい
足立らどみ

  青春の息吹が芽吹くときのはて
  役目を終えた潤井川に映る笑顔は
  今年の桜が舞い散る風景のなかに

 音もなく溶け込んでいく

永劫と思えたコキュトスもまた
数えきりない数多の歴史となり
語り部によつて紡がれていく

   僕の両足の身代わりとなり壊れた車
   僕の心臓の身代わりとなり止まつた時計
   僕の頭脳の身代わりとなり空回りしたAI

 最後まで手放したくなかつた誇り
 最後まで抵抗したかつた人の尊厳
 最後まで隠していたかつた初恋の

  いま それでも生きている

 全てをなくして生まれ変わつた君









らどみ 2025/03/08 (Sat) 23:43:28
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ゴルさん、おだいともだちは〜阿トさん。



自由詩 ともだちは春のにおい Copyright 足立らどみ 2025-03-09 08:24:03
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