コロッケワクチン
室町 礼
眼の衰えというものは
結構たのしい
ときどき字を見間違うので
いつも新しい世界がひらける
コロッケワクチン
という言葉をみたときハッとした
そんなワクチンが出たのか
フライに揚げるのか
なにかカラダがふわっと
浮き上がった気がした
コロッと逝っちゃうのかな?
しかし次の瞬間
またいつもの見間違いかと
見直す前にもう笑っている
詩投稿掲示板の詩鑑賞にもそういう
ことがよくある
一作品につき必ず三つか四つ
単語を見間違う
そんなときはいつもハッとして
なにこれ!
こんな凄い表現みたこともない!
よく書けるものだ
と胸がすく思いがして まてよ
よく見ると
いつものワンパタの言葉である
残念だなあとおもう
どうしてそこから跳べないのか
もったいないなあと
おもう
でも、目が衰えるということは
もっけものだなとも
おもうのである
石ころが宝石になる