おサルの楽園
栗栖真理亜
サル山でおサルがキイキイ啼いている
頂のテッペンよじ登り
われこそが天下だと大いばり
それを見たカラスが手すりに止まって
アホウあほうと嘲り笑い
キリンも
ゾウも
ライオンも
シマウマも
一緒になって笑い飛ばす
しょせん、サル山のサルはサル
それ以上でもそれ以下でもない
サル山から落ちたら最後、よじ登ることすら敵わない
地にアシ着かぬまま、オテントサマ見上げたってなんにもなりゃしない
どんなに夢を語っても
しょせん、サルの夢は空想(ユメ)でしかないんだから
管理人のおじさん、みてごらんよ
またサルがなにか歯軋りして啼いているよ
「ばかだねえ、このサルは」
おじさんは呆れ顔でそう呟いた・・・