おサルの楽園
栗栖真理亜

サル山でおサルがキイキイ啼いている
頂のテッペンよじ登り
われこそが天下だと大いばり

それを見たカラスが手すりに止まって
アホウあほうと嘲り笑い
キリンも
ゾウも
ライオンも
シマウマも
一緒になって笑い飛ばす

しょせん、サル山のサルはサル
それ以上でもそれ以下でもない
サル山から落ちたら最後、よじ登ることすら敵わない

地にアシ着かぬまま、オテントサマ見上げたってなんにもなりゃしない
どんなに夢を語っても
しょせん、サルの夢は空想(ユメ)でしかないんだから

管理人のおじさん、みてごらんよ
またサルがなにか歯軋りして啼いているよ

「ばかだねえ、このサルは」

おじさんは呆れ顔でそう呟いた・・・


自由詩 おサルの楽園 Copyright 栗栖真理亜 2025-03-06 18:54:40
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