[空気頭の研究]7 恥ずべき日本のサヨクリベラル
室町 礼

平成以後、日本のあらゆる芸術分野──
文学、音楽、映画、建築、批評すべての分野で腐敗と劣化が進んでいる。
わたしが注目する若手文芸批評家の浜崎洋介は文芸批評家でありながら
この20年、芥川賞受賞作品を読んだことがないという。
「みなさんもそうでしょ? よほどヒマでも読む気しますか?」
多くの文学青年少女が集まった講演会場で彼が笑いがなら聴衆に問いかけ
ると会場からその声に呼応するように爆笑と賛同の声があがる。
もう日本の小説なんて文学青年のコアな部分を占めるほんとうに知的な
若者たちにはまったく相手にされていないのです。
おそらく芥川賞なんか読んでいるのは昭和生まれの頭の老化した精神の
老人か
文学の精髄がなんであるかちっともわからない文学ファンもどき
(「わたしって知的でしょ」)くらいなものでしょう。わたしはそう思っ
ています。
ある意味、今の芥川賞作品を読める人はもの凄く忍耐力のある見上げた
人だと思っていますけれどもね。皮肉ではなく尊敬に値しますが。

映画ドラマに至っては、一応、配信スペースに日本のドラマ、映画が出てく
ればわずかばかりの期待をもって観てみますが寸秒でキャンセルします。
役者もひどいし、監督もひどい、ましてシナリオのひどさといったらもう
セリフを聴いただけで憤死するレベルです。
小説も詩もシナリオもそうですがこの国では本当に人生を生きたことのない
人たちが頭だけで書いている。
でも例えばwowowで今やっている米映画「ランドマン」なんかのセリフを
聴いて御覧なさい。しっかりと足が地についているから、一言一句たりとも
平板な会話がない。ことばが、沈黙も含めてすべて詩になっている。
それは中国ドラマもそうだし韓国ドラマもそう。役者も監督も脚本家もちゃん
と人生を生きていることがすぐにわかる。
しかし日本人は生きていないのです。てか、今の日本人には人生がないのか
も知れません。
だからわたしはこの20年、日本の映画ドラマは一切見たことがない。ほんと
うは我が愛する国の素晴らしい映画を観たいのです。見たくとも、見ているこ
ちらの体調が悪くなるほどひどいものばかりだから今の日本のドラマや映画は
ほとんど公害だと思っています。仕方ないから、
中国本土の映画ドラマ配信会社3社と契約して中国ドラマを中心にwowowや
netflixとも契約して欧米韓の映画ドラマをみています。2000年以前には素
晴らしい映画監督、ドラマ演出家が山のようにあらわれたのに。

建築なんかも2000年以前にはこの国は素晴らしい建築家を排出した。
だれか名前をあげてみよといわれてもすぐに十指に余る人たちの名前が浮かび
ます。安藤忠雄、丹下健三、鈴木博之、黒川紀章....etc
建築ってのは全体が思想そのものですよ。鈴木博之の『日本の地霊』なんかを
読めば、建築が構造主義思想哲学そのものであることがよくわかります。
しかし、
今、この国でもてはやされている建築家を見て下さい。隈研吾なんて詐欺師で
泥棒ですよ。この男が設計した国際的な建築物はすべてわずか五年もたたずに
腐敗老朽化するように仕組まれている。そして建設会社と結託してそのメンテ
ナンスでまた莫大な利益をあげる。姑息で矮小な詐欺師がいつのまにか国際的
な建築家になってしまっているこの国。
https://www.youtube.com/watch?v=GgVGTZZ1bTE

そういえば兵庫県の斎藤知事がこの隈研吾が設計する新庁舎をキャンセルした
ことで今、物凄い圧力にあっています。でもねえ、すぐに腐ってメンテにまた
定期的に数十億もかかるような1000億もするよう庁舎を良心のある知事が否定
するのは
当たり前のはなしです。ところがですね朝日、毎日の不動産部門は三井不動産
などと提携して湾岸沿いの地域の開発でうまい汁を吸おうと考えていたらしい。
それが全部、財政見直し派の斎藤知事の誕生で全部パーになってしまった。
そりゃあ叩きます。
余談は置いておくとして

この国の近年の腐敗の最たるものは新聞テレビでしょう。
そしてそれに小判ザメのように寄食している作家、詩人、批評家の劣化も凄まじい。
2000年以前にはなんとかサヨクリベラルといえたものが、新聞テレビの転向と
ともにそれに寄食していた作家、詩人、批評家までが転向してしまった。
しかも彼らは自分が反動の方へ転向してしまったことがわからない。なぜなら
2000年以前にサヨクリベラルがいっていたことと口先では同じことをいってい
るから、内実がまったく変化したことに気づけないのです。
その原因は先もいったとおり小説家も詩人も批評家もちゃんと足を地につけて
生きてないから、つまり日本人には人生がないからです。
頭だけで生きている幽霊のような存在だからです。
(つづく)






散文(批評随筆小説等) [空気頭の研究]7 恥ずべき日本のサヨクリベラル Copyright 室町 礼 2025-03-06 07:21:41
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