[空気頭の研究]6  安倍元首相は殺されて当然だったのか?
室町 礼

安倍元首相が暗殺されたと知って法政大学教授で作家の
島田元彦センセイが大喜びし「よくやってくれた」と山上のテロを
絶賛したことはすでに述べました。
https://youtu.be/OX1FdwLB8hY
また、SNS上に投稿された動画で知りましたが
れいわ新選組の山本太郎サンも選挙演説カーの上でお笑い芸人と
阿波おどりのような踊りを披露して安倍元首相の死を
ネタに笑い転げたようです。宮台真司しかり、辺見庸しかり、
内田樹しかり......。日本のサヨクリベラルと称される方々の喜び
ようは半端ではありませんでした。

うーん、でもねえ、
わたしも日本が将来破綻してこの国が廃墟になれば財務省の役人を
片っ端から銃殺してその骸を皇居のお堀端の柳の木に吊るす
というような詩をむかし書いたことがあるので
私的なテロ行為を思想的、法的には指弾しても行為者の身勝手な真情を
文学としては否定するつもりはありません。小説の中では愚かな暗殺者の
心情を心をこめて描くこともあるでしょう。
ただ、他人がなしたテロ行為を、何もなさなかった者がコタツに入って
称賛するようなことはあまりにも卑劣じゃないかと思うのです。
仮にわたしが財務省の役人を片っ端からテロっても、コタツに入った他人から
称賛されても不快です。それこそ『異邦人』のムルソーのように処刑場に
ひかれる罪人を罵る人々の憎悪に迎えられて断頭台にあがるべきでしょう。
しかしまあそれは別のはなしになるので一旦置いておきます。

わたしが理解できなかったのは安倍晋三という政治家が、
暗殺されて喜ばれるほどに悪いことを本当にやったのか?
ということです。このことの検証は非常に大事だと思っています。
日本の平成年号以後のサヨクリベラルが安倍晋三暗殺を称賛したことは
日本の文学関係者によって精密に検証されなければならないでしょう。
なんとなれば安倍暗殺を肯定的にとらえた人たちの中には多くの詩人、作家、
思想家が混じっていたからです。
人殺しを喜ぶということはこれはたいへんな問題ですよ?
宗教的にも政治的にも人道上からもたいへん大きな問題です。
特権的知的エリートだから人を殺していいわけじゃありません。
たとえキリストであろうとブッダであろうが人を殺したらキリストもブッダも
そこらの蛆虫以下の存在になる。たとえ神でも仏でも人を殺してはいけない。
これが何の後ろ盾もない生活者の基本思想です。
わたしが不思議でならないのは、
安倍晋三が殺されたことを喜ぶ人間たちの精神構造です。
如何ほどの者なのかおまえは? おまえはキリストやブッダより崇高な存在なのか?
人が殺されたことを喜ぶに値するほどの被害をその者から受けたというのか?
ならばそれを示してみよ。といいたいのです。
それを検証すれば平成年号以後のいわゆる"サヨクリベラル"の現在が
如何に暗愚で幼稚で凶悪なものであるかはっきりすると考えています。

わたしの知るところでは安倍氏は歴代首相のなかで唯一、世界の平和を
願った人でした。世界平和を願うことで日本の平和を永く続けようと本気で
考えた唯一の政治家だった。ロシアと国交断絶するのではなく友好関係を続け
ようとした。ロシア、中国、米国と等距離を置いた協調的な関係をつくりあげようと腐心した。
しかしロシアと友好関係を続けようとしたことは安倍氏にとって非常に危険な
行為だった。欧米の巨大寡占資本家たちを逆上させましたからね。
また安倍晋三氏は消費税増税に反対して戦った唯一の保守系政治家でした。
こんなことをいうと詩なんかを書いている人は「え?」と驚くでしょう。
でもちゃんとした数字があります。
民主党野田政権による「消費税増税法」が成立したのは2012年8月10日ですがこの法律は
消費税率(当時5%)を2014年4月に8%、15年10月 に10%へ引き上げる
計画を法律で強制化したものです。
だれであれ政権は必ず増税をしなければならないと法律によって足かせをかけたものでした。
ところが、民主党政権が崩壊して次の政権を担った安倍晋三はこの法律に
従わないで最初の8%増税が経済を減速させ、国民生活に重圧をかけたことを見ると
首相官邸で記者会見し、2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを1年半延期し、
17年4月に変更すると表明した。
するとすぐに財務省が「財務省の二・二六事件」といわれる反乱を起こしたわけです。
幹部全員が辞表を書くと言い出したのです。もちろん経団連も反発します。なぜなら
消費税というのは大企業のためには非常においしい特権だからです。
このあたりの消費税と経済のカラクリはネットで幾らでも解説してくれている専門家が
いますので関心のある方はググってみて下さい。
わたしはこれをみてすぐに「あ。これは安倍やられるな」と思いました。
「やられる」というのはあらゆる手段で政治的に抹殺されるということです。
思った通り、それまで安倍晋三はいっさい週刊誌で叩かれたことはなかったのに
突然、「もりかけ」問題が突発します。
この「もりかけ」(「森友・加計事件」)騒動も斎藤知事パワハラ騒動と同じく、
火のないところに煙を立てるという手法で、矮小で薄汚れた連中が中心になっているのです。
まず婦女暴行常習犯で暴行傷害事件ばかり起こしている愚連隊の頭目のような男が事件の中心に
姿をあらわします。
菅野完という男です。
この男の作り話をもとに朝日が取材をして実態のない「森友」事件をつくりだしたのです。
(ちなみにこの婦女暴行常習犯で暴行傷害事件の常習男は斎藤知事騒動でも
なぜか姿をあらわして斎藤知事を恫喝しています)
これは朝日お得意の技で「従軍慰安婦」というデマを振りまいた手法と同じです。(朝日の「従軍慰安婦」
報道は裁判できっぱりデマであったことが照明されて否定されております)
慰安婦報道訴訟、元朝日記者の敗訴確定 最高裁
https://digital.asahi.com/articles/ASP3D63DVP3DUTIL02X.html

これはメディアの得意技で、火はないけど煙を立てて政治家や芸能人の評価を毀損するといういつもの手口でした。
「もり・かけ」をわたしも徹底的に調べましたが、安倍晋三はまったく何の関係もありませんでした。
しかし、安倍の周辺の存在(奥さんなど)を利用してまるで安倍首相が関係あるかのように煙だけは盛大にあげた。
これにはたまらず安倍晋三も悲鳴をあげ、消費税増税を容認せざるを得ませんでした。

いや、もしですよ、仮に安倍首相がなんらかの口利きをしていたとして、それは暗殺されていいようなほどの悪いことでしょうか?
どこか今の日本のサヨクリベラルには異常なほどの偏りがあると思いませんか? わたしは幼児から辛酸を嘗めてきた一生活者として
そういうおかしさにすぐ気づくのです。今のサヨクリベラルはほんとうのサヨクリベラルではなくどこか狂っている。
ただ、その狂いに彼らはまったく気づいていない。
(つづく)








散文(批評随筆小説等)  [空気頭の研究]6  安倍元首相は殺されて当然だったのか? Copyright 室町 礼 2025-03-05 04:18:38
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