空隙
中沢人鳥

ひとひらの
    羽音が、
        —— 冷たい空を
           縫う。

雲は
  言葉を持たず、
       ただ、

        漂う
            だけ。

指先でつかんだ
    風は

すぐに
 零れ落ちて

   何もない
       空白だけが
            胸の奥に
               広がっていく。

それでも、

      あなたは
           知っている。

空の青さは、

すべてを

   受け入れるということを。


自由詩 空隙 Copyright 中沢人鳥 2025-02-22 14:32:19
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