都市語り
たもつ
水沫の上に
都市が建ち始めた
人が溢れ出すと
歴程のいくつかは消えていった
句読点が住んでいる一画には
本日もそぼろない風が吹いていて
生きることは疲れるね
生きることは美しいね
生きることは少し恥ずかしいね
そのように葉脈はささめきながら
軟らかな肉体や物質などに
いく片もの影を落とした
街外れにはがらくた捨て場があり
その大半は言葉や文字の類で
語り尽くされたはずなのに
まだ物語の名残りを
呟いている
自由詩
都市語り
Copyright
たもつ
2025-02-16 05:24:15