詩想、待つ。
ひだかたけし
待つということ、
時は満月過ぎて
下弦へと欠け始め
なお待つという行為
愛すること 、
待たれるもの待つのではなく
ただ、待つことを愛する
このあらゆる意味の剥離した世界で
それが自由に意志された行為ならば
ただ生きる 、
奇跡として昇った今朝の太陽に
燃え輝く黄金とその輪郭を見極め
自らの内に生きて居る宇宙の光の充実
脈打つ思考力動、直観し体験しつつ
待つということ、
浜辺に一輪の花を
砂漠に匂い立つ薔薇を
無意味の横溢から嗅ぎ分け
生きるという待つ行為
愛するひとりの意志と化し 、
待つ。