プレアデス
あまね

あなたにとってのひと刹那が
わたしにとっての100光年かもしれません
わたしの声がとどいていますか
あなたの風景の一小節として

夜はきらいです
たくさんのことを思いだすから
恥ずかしくて
悔しくて
憎らしくて
泣きたいのに泣けないから
空にあなたを探します

ねえ
聞こえていますか
あなたにとっての100光年が
わたしにとってのひと刹那であるように
後悔と嘘が入り混じった
わたしの歌は聞こえていますか

あなたの鼓動はわたしの呼吸
横たわる静けさに耽る
ちいさな午睡のひとときを
引きちぎっていくのはわたしという
けだもの

仰ぎ見る空は今日もかなしいくらい青くて
見えるはずもないあなたの姿を求めて
途切れ途切れの飛行機雲みたいに
わたしは歌うのをやめないのです


自由詩 プレアデス Copyright あまね 2025-02-12 16:39:31
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