冬にせつない夜が更け
秋葉竹

 

彷徨って
彷徨ったことを忘れたくて
風のおくりなはとてもやさしい

早朝
カラスが群れて泣くのを
棄てたいこころを抱きしめながら聴く

教会の庭には
ちいさな噴水があって
あの夏ビショビショになった鮮明な想い出

孤り
ただ孤り時計だけが動いている
この冬のひと部屋で聴くのはカッチカッチ

それが
永遠?
なら永遠みたいに鳴りつづく時刻む雷鳴

闇をみつづけたものだけが知っている
悲しみの果て
みたいなナルシシズムの懺悔を超えて立て








自由詩 冬にせつない夜が更け Copyright 秋葉竹 2025-02-09 12:35:27
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