暴風と烏

風が怒り狂っている
よろけるほどのうねり
風除けを探しながら
彷徨っていると
烏が風で飛ばされ
無機質な物みたいに飛来する
危うくぶつかるところを
避けた
振り返ると
烏は何とか着地して
歩道の植え込みに飛び込み
黒い頭だけ出して待機している
風除けを見つけるのに
先を越されてしまう
容赦ない暴風に
ぼくは吹かれ続けて
涙目になっていく


自由詩 暴風と烏 Copyright  2025-02-06 18:54:45
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