詩想、〈私である〉
ひだかたけし

くたくたに
何度でも落胆して
繰り返し繰り返す意志、
それすら忘れていき
只々瞑目し続ける
意識の視界に
いきなり
くわっと
眼を見開き
聳え立つ巨城 、

崩れ落ちる時進の
鳴り響く瞬間に
月明かり突き落とされ
上昇する黄金の輪郭 、

私である
秘密を携え
鋭い温かみ放ち
突き刺さり包み込み
肉身の震え小刻みに
くたくたと崩れ落ちる
私の中で
宇宙が思考する 、

 光の純粋な輝きの中に
 世界の神性がきらめく*

この意識の内なる
静やかな光のうねり
思考過程は止むことなく
次々と沸き起こり繋がり合い
感覚を超えた次元に属す魂の
大きな巨きな生動であること
この私に告げ報せながら
自らの自由な変転を繰り返し

自らにのみ動因を持つもの
この肉身に属す私に宿り在る
宇宙過程と云う
自意識なき私それ自体へ

誘われ触れては
意識さめざめと
〈私である〉へと
より覚醒しつつ
息を大きく黄金に吸い
くたくたと てくてくと
魂の道を生活の道と併せ
日々の歩みを覚悟決め
また繰り返し進めいく 、 、














*ルドルフ・シュタイナー『秘教講義3』より引用




自由詩 詩想、〈私である〉 Copyright ひだかたけし 2025-02-06 18:23:24
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