暁を行く

聳え立つビルの谷底で
夜明け前の湿度に塗れて
夢と現がぼやけたまま
目の前に迫り来る

陽が昇るころ
どんな景色が見たいのか
輪郭をスケッチすると
ビルの入り口が開いた

夢の大草原は描かない
現実とするには
年月がいくつも必要だから
その間密かに爪を研ぐ


自由詩 暁を行く Copyright  2025-02-05 18:40:52
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