echo
mizunomadoka


少女が石を拾う
気まぐれの戦利品じゃないことは
知ってる

ループが繰り返しではなく
死と再生の渦であることも

かつて人類の到達点は
地球を太陽にすることだった

あらゆるものの核分裂
そして融合

それでも終点は遥か遠く
また始原に戻される

全てのものは置換可能で
忘れることが唯一
旅を降りる方法だった
でも、

この石を投げた最後の一人が
溶けて消える未来を
私は良しとしない

少女は雨の中駆け出す


夜弦の星座の永遠の森で
浮かぶ思慕を集めていた
少年が空を見上げる
「ジャッカル?」







自由詩 echo Copyright mizunomadoka 2025-02-03 20:26:26
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