見守る
栗栖真理亜

遠くで誰かが泣いていたら
そっとそばに寄り添って慰めてあげよう

ただ横にいるだけでいい
何も喋らなくてもいい
喋らせなくてもいい
君の涙が目と頬の間で乾くまでじっと待つよ
君の胸深くまで支配するワダカマリが
ポンと弾け飛んでしまうまでずっといるよ

君の全身に生えた棘は君自身を守る盾
誰も近づけない
誰も傷つけられない

きっとたくさんの涙の成分から出来ている
かたいかたい殻が少しずつ少しずつ解れるまで
僕は君を信じて見守っていたい


自由詩 見守る Copyright 栗栖真理亜 2025-02-02 22:23:24
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