夜の庭
由比良 倖
黄色い、黄色い、雨が降る
赤い屋根にはちょうちょのお家
ちょうちょの扉が並んでる
家の中にはカーペット
毛玉の中にはノミたちの庭
ノミの温度で眠っている
僕は素足で立っている
裁判所から出頭命令が来て
「無職なので…」と口の中で言う
カラスほどの自由もない
パソコンの前に座れば
心臓は赤く鳴っている
誰かにあげるための心音が
夜の中で
今は確かに鳴っている……
自由詩
夜の庭
Copyright
由比良 倖
2025-02-02 15:54:21
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