水星逆行
形代 律

しごとの失たいを
星の運行とむすぶのは慣れている
傷を季節と分かちあう
古い知恵

深い疲れのおり
壁にかかった絵をみる
樹氷のある
白い湖の畔

南うまれのわたしが
みないかもな
景色

ふたたびしごとに向かうあいだ
背中で氷雪が
かがやく

そこが故郷の木樵には
きびしくも親しい

視界のはずれで
動くものをしんじている


自由詩 水星逆行 Copyright 形代 律 2025-02-02 12:23:33
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