木の実
栗栖真理亜

硬く閉ざされた青い木の実
指先で摘んで手のひらで転がすようなもの

いたずらに弄ばれて
呆ればまた摘まれて
そのままゴミ箱のなかへと放り込まれる

紙屑のシーツに包まったまま朝を迎える
ただの木の実

なにものでもない
殻を被った青い木の実


自由詩 木の実 Copyright 栗栖真理亜 2025-02-01 19:08:32
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