過去は死ぬのか
みぎめ ひだりめ

ひとりで眠る
白い 心臓
星が ぱちぱち 輝いた

くすんだ髪が 目にかかる

わたしは 一つも変わらないまま
とおくの過去に まどろんだ

ひとりで死んだ
白い ざわめき
月も 誰もが 知らんぷり

誰かこころを 知らないか
わたしが 落としてしまった ものだ

時間はひとつも 歪まないまま
世界を愛して いるのでした

こころが死んだ あの頃の
白い 白い 桜が
あざやかに
静かに 散っていく
その音が わたしには
たしかに聞こえて いたのでした


自由詩 過去は死ぬのか Copyright みぎめ ひだりめ 2025-01-29 19:33:50
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