微熱さめやらず
Dolly_Sheep

おくればせの真昼
季節はずれの発情
そこここに信管を潜め
それでも無心に回り続ける天体の
うわべもなかみも
総花の躁


 嗚呼人類文明ノ日輪ハ隠レタリ
 我唯内的生命ヲ以テ爛堕ノ世情ヲ打破セント欲ス
 万物ノれぞんでーとるヲ明ラカニセヨ
 我ニ賭スベキ命ヲ与ヘヨ

 
  (もういいかい)
  (まあだだよ)



姿を窶し 脳味噌を洗い
また 冗談ではなく病み
引きこもれば脅され 出すぎては叩かれ 
割に合わぬきまじめな道化はみな
探しもののため
いや 探すべきものをみつけるため


 自由競争トハ何ゾヤ
 市場原理トハ何ノ謂ゾ
 世ニ行ハレタル一切ハ虚妄ナリ
 仮象ヲ去リテいであヲ志向セヨ


  (もういいかい)
  (もういいよ)




  ほんとはね
  不機嫌なふりをしてただけさ
  キャンバスに溶けそうな身をもてあまして
  逆立ちの曲芸をしてみたところが
  もうこの星には重力はなかった
  おわらいだ





窓の外では梅雨が降りあぐねている
蚊柱がぼんやりと漂っている


自由詩 微熱さめやらず Copyright Dolly_Sheep 2025-01-27 00:46:22
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