黒板の花
たもつ



あなたが夕日の
真似をするものだから
わたしはすっかり
あなたを夕日だと
思ってしまった
ほんの少し
音を出してみる
それもまた
言葉だった

誰かが黒板に描いた
綺麗な花の絵を
消したことがある
散らずに消えていく
その花の名前を
わたしは知らなくて
今もずっと
知らないまま

カナブンとおしゃべりする
あなたにも見せてあげた
沈んでいく
あれは本当に
あなただったのだろうか
そう思うと名前すらもう
覚えていない気がした



自由詩 黒板の花 Copyright たもつ 2025-01-26 06:52:40
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