恋人よ
秋葉竹

 

芝居っぽいため息付きの微笑みをワインのせいと云う恋人よ



悲しさがわからないまま泣いている作業のようさと口にしてみる



封印を解いたみたいな地獄酒あゝあのことをまた責める夜



リアルってなんだろうなと心臓を握るみたいな陰口を聴く



光ってる天使の輪っかを隠せずに泣き出しそうな猫を抱く部屋



マリアって無糖コーヒー飲むときも挽きたての香を気にする血族?



暴けないむかしの夜をすこしだけ覗いたような悲鳴の深淵




おもしろいだけの世界が神聖と声にしてみて馬鹿馬鹿しくなり



恋なんて戯れだよと軽口を叩いてみせる、なぁ恋人よ












短歌 恋人よ Copyright 秋葉竹 2025-01-25 11:46:30
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