恋人よ
秋葉竹
芝居っぽいため息付きの微笑みをワインのせいと云う恋人よ
悲しさがわからないまま泣いている作業のようさと口にしてみる
封印を解いたみたいな地獄酒あゝあのことをまた責める夜
リアルってなんだろうなと心臓を握るみたいな陰口を聴く
光ってる天使の輪っかを隠せずに泣き出しそうな猫を抱く部屋
マリアって無糖コーヒー飲むときも挽きたての香を気にする血族?
暴けないむかしの夜をすこしだけ覗いたような悲鳴の深淵
おもしろいだけの世界が神聖と声にしてみて馬鹿馬鹿しくなり
恋なんて戯れだよと軽口を叩いてみせる、なぁ恋人よ