writing with gutz
中田満帆

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 去年だした第五詩集『不/適/当/詩/劇』で現代詩から足を洗った。じぶんが詩でやれることはぜんぶやったとおもっている。歌集のほうも二冊めをだして、生きているうちに歌集をだすのをやめることにした。短歌だけはつづけていこうとおもっている。歌誌『帆(han)』、そこ以外で作品はなるべくださない。歌誌の内情も変わった。制作補助・広報担当だった三浦果実氏に降りてもらった。それはかれがほかの短歌結社や詩の同人に参加したからだ。加えて本人が次号には協力できないということだったので解任となった。そして後任として制作補助を鷹枕可氏が、広報はじぶんでやることになった。揉めてはいない。それぞれ同意しての結果だ。そして常連の寄稿者のなかの三人を起用しないことにした。これはうち二人と連絡がつかなくなったためで、残る一人とは方向性が合わなかった結果だ。べつにワンマンをやりたいわけではない。新しく川野三郎氏と、富井嫉妬氏を迎えることにした。あとは特別ゲストを入れる予定だ。
 小説のほうも、短篇集、中篇集、掌篇集があがって、ながらく校閲していた長篇『裏庭日記/孤独のわけまえ』がリリースできたので手を引いた。文藝は短歌に絞る。あと趣味だ。ギターも水彩画もシナリオも写真も。

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 『現代詩フォーラム』、『b-review』にもずるずると投稿していたがもう止めた。いつまでも評価軸を他人に委ねて活動はできない。投稿サイトとか、投稿欄に入り浸る年齢でも立場でもなかろう。カネコアヤノが歌っているように《屋根の色はじぶんで決める》のだ。blog、noteはつづけるが、かつてのような質量の投稿はしない。必要な告知以外はできるだけ省きたい。もっともっとひとりになって考える必要がある。
 言葉が共感以外を求めなくなったら危険だとおもっている。文藝投稿サイトはその危険を増幅させてしまっている。みんなに好かれようとする詩人を、わたしは好きになれない。過去のわたしのように無意味に敵をつくるやり方もダメだが、愛されようとする詩人を、わたしは好きになれない。新しい投稿サイトも登場したものの、ネットに引きこもっているようで好きになれない。ネット外でもっとやれることがあるような気がする。まあ、ともかく特定の場所におもねっていたじぶんを肯定できない。兎にも角にも直接、語り合う場所をつくらねばとおもう。その方法、そのスタイルはまだ発見できていないが、しっかりせねばとおもうのだ。さらば、さらばよ。 

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散文(批評随筆小説等) writing with gutz Copyright 中田満帆 2025-01-24 20:44:20
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